障害者基本法

障害者福祉概論

1993年に制定された障害者基本法は、旧法律名を心身障害者対策基本法(1970年制定)とします。旧法からの改正のポイントは7つあります。また、その後も2004年、2006年、2011年と改正が重ねられています。

1993年「障害者基本法」

1970年心身障害者対策基本法からの改正のポイントは下記の7つです。

  1. 法律名の変更(旧「心身障害者対策基本法」)
  2. 目的:「完全参加と平等」を目指す
  3. 対象:
    1. 身体障害者
    2. 知的障害者
    3. 精神障害者
  4. 理念:すべての障害者はあらゆる分野の活動に参加する機会を与えられる
  5. 関心と理解の促進:12月9日を「障害者の日」
  6. 政府は、障害者基本計画を策定しなければいけない
    地方公共団体は、障害者計画の策定を努力義務とする
  7. 事業者は、雇用の促進を努力義務とする1

2004年「障害者基本法」改正

1993年に制定された障害者基本法が、2004年に改正されました。改正のポイントは下記2つです。

①国民の間に広く障害者の福祉についての関心と理解を深めるために、
改正前:12月9日を「障害者の日」とした。
改正後:12月3日〜9日までを「障害者週間」とした。

②地方公共団体は、
改正前:障害者計画の策定を努力義務とする
改正後:障害者計画の策定を義務化する

2011年「障害者基本法」改正

国連の「障害者権利条約(2006年採択)」を日本で批准するために、2011年に改正されました。改正のポイントは下記4つです。

  1. 目的
    全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現する
  2. 障害者の定義
    • 身体障害
    • 知的障害
    • 精神障害(発達障害を含む
    • その他の心身の機能に障害がある者
    • →障害及び社会的障壁(物事・制度・慣行・観念等)により、継続的に日常生活または社会生活に制限を受ける状態にあるもの
  3. 地域社会における共生等
    1. 参加する機会が確保される
    2. 可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において共生することを妨げられないこと
    3. 可能な限り、言語(手話を含む)その他の意思疎通のための手段について選択の機会が確保される
  4. 差別の禁止
    1. 障害を理由とした差別を禁止する
    2. 社会的障壁の除去は、合理的配慮2がなされなければならない
    3. 国は差別の防止のために必要な、情報収集、整理、提供を行う

注釈

  1. 内閣府の障害者基本法ページより
    (雇用の促進等)第十九条:国及び地方公共団体は、国及び地方公共団体並びに事業者における障害者の雇用を促進するため、障害者の優先雇用その他の施策を講じなければならない。
    2.事業主は、障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の機会を確保するとともに、個々の障害者の特性に応じた適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない。
    3.国及び地方公共団体は、障害者を雇用する事業主に対して、障害者の雇用のための経済的負担を軽減し、もつてその雇用の促進及び継続を図るため、障害者が雇用されるのに伴い必要となる施設又は設備の整備等に要する費用の助成その他必要な施策を講じなければならない。 ↩︎
  2. 合理的配慮とは
    障害者権利条約第2条において「障害者がすべての人権と基本的自由を確保するために必要な変更や調整である」とされている。つまり、社会的障壁があった時に障害者が除去を望む場合、その実施に伴う負担が過重でない範囲で、社会障壁除去について合理的な対応をするということ。当事者と提供者双方で解決策を検討していく必要がある。
    令和6年(2024年)4月1日から事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されている。 ↩︎

確認問題

合理的配慮は何年の何という法律で記載されていたか

解答:2011年に改正された障害者基本法に記載された

合理的配慮とは何か

解答:障害者が社会的障壁の除去を望む場合、その実施に伴う負担が過重でない範囲で、除去について合理的な対応をするということ

1993年の障害者基本法の主要内容のうち、法律の目的は何か

解答:障害者の「完全参加と平等」をめざす

1993年の障害者基本法で、地方公共団体は「障害者基本計画」の策定に努めなければならないという文章は正しいか

解答:正しくない。地方公共団体は「障害者計画」の策定に努めなければならない。「障害者基本計画」の策定の義務は政府にある。

2011年に障害者基本法が改正されたが、その理由は何か

解答:2006年に国連が採択した「障害者権利条約」に日本が批准するため

2011年に障害者基本法が改正され、障害者の定義の中に発達障害も含まれることが追記された。これは正しいか

解答:正しい。発達障害は精神障害の中に含まれるとされ、障害者基本法の障害者の定義の中に明記された

障害者基本法は改正が重ねられたが「言語(手話を含む)意思疎通のための手段の選択の機会が確保されること」と明記されたのは何年の改正か

解答:2011年の改正

障害者週間はいつからいつまでか

解答:12月3日〜9日

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